相生あおはの書庫

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防災意識を高める重要性を説きたい

※※おことわり。私は防災の専門家ではなくアマチュアです。了承してくださる方のみ読み進めてください※※


こんにちは。相生あおはです。
先日南三陸町に行って、改めて防災意識を高めることの重要性を認識したので、ちょっと書きたいと思います。
「自分はいいや」と諦めてる人もいますが、そういう存在は有事の際、その考えは被害を拡大させる原因になり得るということを認識して欲しいです。

~~もくじ~~

「防災」の定義に立ち返って

災害対策基本法第二条第二号の定義によれば、「災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。」とされています(出典)。本稿はこれに基づいて防災意識を高める重要性を説ければと。

それでは本題へ。

災害を未然に防止するためには

2方面からのアプローチが考えられます。ハード面とソフト面です。
例えば豪雨災害を防止するためにはどうすればいいでしょう。この場合、ハード面というのは地下の貯水槽構築、水路最適化が挙げられます。これは行政のお仕事で、一般人レベルじゃ無理ですね。
ただ、予め浸水想定域をハザードマップで把握しておき、警報等が出た時に冷静に早めに行動に出るというのは、我々でも出来そうです。これはソフト面のアプローチです。マトモな自治体であればハザードマップが公開されているので、事前に確認しておくことも、災害防止の一助になるでしょう
例えば豪雨で道路が冠水した場合。アンダーパスが冠水した場合。もし事前にその危険性を理解していれば、人的・物的被害を防ぐことができ、災害を防止できます。

ただし、こういう時に正常性バイアスが邪魔になってきます。大事にならなかったら良いですが、もし「ヤバい」となった時には手遅れです。早め早めの行動も、ソフト面のアプローチなんじゃないでしょうか。

被害の拡大を防ぐには

ここでまず、防災意識を高める重要性が一つあります。お察しの通り、災害に遭ってもいいやと思ってると、本来起こり得なかった災害が起こることとなり、然るべき方々が対応に当たられることになります。これは、あなたが仮に災害で死亡したり行方不明になったとしてもです。敢えて残酷な書き方をしますが、他者に迷惑を掛けないためにも、防災意識を高める必要があります

自分は良くても

仮にあなたは諦めてる人だとします。そして濁流に流され結果として命を落としたとします。死後あなたとしては「別にいいや」と思っているかもしれませんが、残酷な書き方をすると周囲には結構な迷惑が掛かるということを考えたことがありますか?

もしあなたが見つかった場合、心肺停止状態の要救助者が発生したということになります。瞳孔の反応が無いなど素人目で死亡がわかってても、死亡判定は医師しか出来ません。そのため、医師の元で死亡判定が下されるまでは心肺蘇生法が試されたりと、災害時では貴重な医療コストが無駄に消費される可能性があります。

もしあなたが見つからなかった場合、連絡が取れないとして行方不明者に加算されることになります。そうなると、災害発生後72時間以内になんとか探し出そうと自衛隊などの方が、死亡済みのあなたを生きているかもしれないと信じて懸命に作業されます
「1人くらいなんだ」と思うかもしれませんが、そういう人が増えれば増えるほど、本当にまだ生きている方が早く救助される確率が下がるのは御想像の通りです。

本当にどうしようもなく、災害に巻き込まれて不運にも犠牲になってしまったというのなら仕方ないことです。しかし、最初から犠牲になる前提で動くというのは、災害救助現場の限りあるコストを無駄に消費させる原因になるということを理解するべきです。自分のせいで、犠牲になりたくない誰かを犠牲にさせてしまう可能性だってあるんです
裏を返せば、防災意識を高めることは、他者を救うことでもあるんです。あなたが災害に見舞われても元気だった場合、誰かを助けることができるかもしれません。

具体的にどうすればいいのか

重要性を説いただけというのは無責任なので書きます。

災害時にどういう行動を取るか

当たり前ですがパニックにならないことが重要だと思っています。有事の際こそ大切な冷静な判断が出来ないと大きな怪我をしかねません。それどころか、人間というのは協調する生き物ですから、そのパニックが周囲に伝播して二次災害を引き起こすというのはよく聞く話ですよね。

ハザードマップの重要性

誰でも今すぐできるのがこれでしょう。マトモな自治体であれば公開されていると思うので、自宅や職場、学校やその経路、自分がよく行く場所にどういうリスクがあるかだけは知っておいて欲しいです。
ただ、どこで被災した時にどういう行動を取るかまで考え始めたらキリがないので、滞在時間が特に長い自宅や職場、学校くらいはそのシミュレーションをしておいて損は無いでしょう
もしこれから引っ越しの予定があるという人は、ハザードマップ的に安全な地域というのを選定要素として含めるのも良いでしょう。

地震に備えるには

ハード面も意外と対処しやすそうです。突っ張り棒の設置や耐震ジェルの使用、本棚の底に転倒防止のプレートを挟んだり、食器棚にフックを掛けるなど

個人的に記憶に新しい2021年と2022年に福島沖で起こった地震を例に挙げると、物の配置を工夫したりある程度対策をしていた我が家では物的破損が殆ど無かったんですね。でも対策してない人の家では、電子レンジが飛んで壁に穴が空いたり(これは流石にガード不能な気もする)、食器が割れたり等の被害がありました。

2021年の地震ではリモコンが吹っ飛んだだけでしたが、2022年の地震では流石に物が散らかりました。ただ不思議と、汎用ケースに軽くヒビが入っただけで物的破損はほぼ皆無でした。

2022年の地震を振り返る

あの地震当時、私(達)は卒業旅行パート2ということで花巻温泉にいました。そこで被災?しました。エレベータが止まったので、温泉行くタイミングがずれてたら数時間閉じ込められてたでしょう。そして例にも漏れず東北新幹線も路盤が破壊されて止まったので、補助席を全て使う程の満席の高速バスにギリギリ乗れて何とか仙台に帰って来たのは懐かしいです
帰宅してドアを開けた段階では「なんてことないじゃん」と思ったんですが、居間は酷かったです。恐らく私の所有物が人生で経験した中で一番の揺れだと思ったので、折角と思い飛散物の傾向を調べました。そこで、物の大きさや重さ、置かれてた位置だけでは飛散傾向に説明が付かないことに注目しました

不思議なことに、本棚の本は一切飛んでませんでした。本棚の上のケースも、びくとも動いてませんでした。これらは底面積が広い形状をしていました。一方、信じられないくらい吹っ飛んでいた汎用ケースの底は、縁が盛り上がる感じになっており、底面積は僅かでした。すなわち、接地面積が広い物ほど飛散しにくいことが示唆されました
これは摩擦力云々の話に絡んでくるんだと思います。このことから、その手の形状の物体は、耐震ジェルをいちいち目くじら立てて貼り付けまくらなくても、震度5強までは耐えれるっぽいです。

首都圏に住まない

炎上しそう。でも私は割と本気でそう思ってます。極度に発達した交通インフラに依存しきった首都圏が、大雪や人身事故に見舞われるとどうなるかは周知のとおり。大雪に見舞われた東京というのが割とイメージ近い気がしますね。
実際大学進学する前まで住んでましたが、首都圏は本当に人が多すぎます。人口に対して緑地や空き地が全然ありません。広域避難所や避難倉庫とか設定はあると思いますが、キャパ足りるんですかね?さらに火災のリスク。最近の建物はいいですが、未だに木造住宅が密集している地域もあります。そこが火元となって…とか。首都圏ってハイテクそうに見えて案外そんなところです
そして、災害レベルの巨大地震は往々にして大き目の余震が割とすぐ起こったりするので、人が密集しているところでは群衆雪崩が発生して二次被害に繋がることも想像に難くないです。また人が多いわけですから治安の悪化も考えられますし、もう"人が多い"というだけでこれだけリスクが上がるとは

これだけだったら大阪もそうじゃんと言われそうですが、その反論を封じ込める存在が複雑な地下構造の存在です。相模トラフもその一部で、地震本部がまとめている関東地方の地震活動の特徴というページを是非ご覧になっていただきたいです。
www.jishin.go.jp
詳しくは別記事にしますが、規模が大きくなりやすい(=揺れも強くなる)海溝型地震が割と至近距離で起こり得るリスクがあります。そんなの日本どこでもそうだろと突っ込まれそうですが、人口密集地を対象に見ると他に相当しそうなのは、実はかの悪名高い南海トラフくらいです。

首都圏はこれに加え、先に述べた災害脆弱性を抱えていると私は前からずっと思っているため、アウトと言っているわけです。それでも首都圏に住みたいと言うなら、本稿の上の方でも書きましたが、防災意識を少しでいいから高めてもいいんじゃないかなぁと思ってるんです
わざわざ名前は挙げませんが、私と同じようなことを唱えてる防災の(うさん臭くない本物の)専門家もいらっしゃるので、あながち的外れなことを言ってるわけではないと思っています。

首都圏に住んでた時に散々嫌な目に遭ったからいたずらに首都圏を叩いているわけではなく、このようにちゃんとした根拠があります。災害時に自分が受けるであろう被害度合いを期待値で考えれば、自ずと首都圏は居住地の択から外れると思います

日常生活と防災の比率

首都圏に住まないとか過激なことを書きましたが、仕事の宛てが多いのは実際首都圏になります。ですから首都圏に人が集まるのも仕方のない話です。
単純に平地が多いことによって生じる様々な利点という目先の利益しか考えずに労働者を脊髄反射で東京に集める企業が一番問題だと思ってますが、そういう企業に反抗してると転職で苦しむので(実体験)、日常生活の比率を多めにして防災をある程度妥協するのも必要かもしれません。

ハッキング等の被害対策と同じように、ここら辺は自分が妥協できる比率を探るしかないです。どっちも取るというのは結構きつかったです。それでも、どういうリスクが起こり得るとか、どこが特に危ないか等事前に知っておくということは、日常生活に影響は及ばないはずです

まとめ

人間は良くも悪くも、一人で生きているわけではありません。残酷なことに自分の犠牲が誰かの犠牲に繋がるリスクがあるのが災害です。敢えて他者を苦しめようとするリアル狂人じゃない限り、少しでもいいので防災意識を高めてくれたら、防災のあり方を考えている身としても嬉しく思います。

それでは