相生あおはの書庫

ねこにうもれたい。

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9年の楽曲制作を通して得た知見とか

こんにちは。相生あおはです。
対外的に創作活動をしてからは年数浅いですが、楽曲制作歴は実は今年時点で9年が経過してたりします。
色んな用途の曲と向き合ってきたので、その過程で得た知見をまとめようかと思います。

~~もくじ~~

私の作曲遍歴

ゲーム音楽から創作の世界に入りました。そののち音ゲー曲に移行し、そしてビジュアルノベル楽曲、そしてピアノ単独曲、ボカロ曲と経験してきました。
これからはボカロ曲、ビジュアルノベル楽曲、ゲーム音楽を軸にしていこうかなと。

ゲーム音楽

ロールプレイングゲーム (RPG)

私の初の作曲はRPG楽曲でした。ただ信じられないことにその記念すべき最初のPJは立ち消えになりました。主催者のことは今でも許していません。

RPG楽曲は各場面の描写が重要だと感じました。ですので、自分が作曲で個性を出す場ではなく、場面や世界観に対する自分の解釈を如何に忠実に出力するかが命です。
ですから自分の解釈を発注者のそれと限りなく近づける必要があり、そういうわけで一番難しいのではと思っています。
解釈が違うと言われたら素直に作り直すか、発注者と認識合わせをする必要があります。

このように、RPG楽曲の作曲とは与えられた制約の中でいかに独創性を出すかという究極の縛りプレイであり、非常に力になります。

初の作曲がRPG楽曲で本当に良かったと思います。いくつものPJで何回も作り直す過程で構想をひねり出す練習をこの時したおかげで今の筆の速さが維持できてるのかなというのは、正直自分でも思います。

アクションゲーム

次に経験したのはアクションゲームの楽曲。先ほどのRPGと比べると作曲者に与えられる自由度はかなり高いと感じました。

が、RPG楽曲同様、如何にプレイヤーを引き込むかが、グラフィックや演出と共に任されてます。聴覚で情報を与えるのは楽曲だけです。
ですので、しっかり作ろうとすると先述のRPG楽曲並の労力があります。

が、個人制作程度なら楽曲は最悪無くても通用します。なぜなら音を出さないでプレイされたら一緒ですし、そういう人口が割と多いです。そのくらい、RPG楽曲比では重要度は低いです。
更に、数秒程度のループを一生繰り返すみたいな環境音的なのでも成立するPJも存在するので、ケースバイケースです。

私が最初に担当したPJではリテイクを喰らっていくつか代案を作ったわけですが、裏モードとかでその素材全てが使われてて、用途を見出すのが上手いリーダーだなぁってなりました。

シューティングゲーム (STG)

次に経験したのはSTGの楽曲。恐らく一番作るのが楽です。

STG楽曲はプレイヤーに焦りを与えるのが重要だと感じました。この焦りはステージによりさまざまで、最初のステージとラスボス最終形態とでは大きな差をつけた方がいいでしょう。
なので、いたずらにアップテンポにするのは誤りで、その匙加減に気を付ける必要があります。が、雑に速いのを作っておけば大抵通用するので楽だと私は感じました。あと、展開を多くするとかね。

私は担当したPJの全てで苦労しなかったので、特に学ぶことは無かったのかなぁ?改めて思います、RPG楽曲での訓練の効果が凄い

音ゲー

ゲーム音楽は何かと制約条件が多く、自由に曲を作りたいな~と思いこちらへシフトしました。
ゲーム音楽畑出身の私としては、BPMが正義とされる世界だと感じました。
裏を返せば、テンポ速ければ何しても許されるということで、本当に好き勝手いろいろやりました。結果として30曲くらいがここで生成されました。

ゲーム音楽畑で得た知見と高BPM化がある程度相性良かったため、私はここを3年くらい軸としていました。


しかし、テンポを速くすることに意識が行き過ぎたあまり楽曲に本来あったであろう美しさが損なわれている様、商用音楽にも関わらず和声的に明らかに怪しい楽曲が平気で流通している様、やはり音ゲーは曲より譜面が大切というゲーム性そのもの等を考慮した結果、音ゲー曲を軸にすると作曲の腕が鈍るという危機感を覚えました
音ゲー曲、それも音ゲーマーの大半が好みそうな曲を作るのは実は全然自由じゃなく、大体ワンパターンだし、正直もういいかなってなりました

私が作りたかったのは音ゲー曲ではなく、曲だったんだと気づけたのが最大の収穫でした

ふと今後も作るかもしれませんが、2021年の時みたいな11曲/年ペースとかで作ることは絶対に無いです。

ビジュアルノベル楽曲

音ゲー曲畑の次はこちらに移行しました。
ビジュアルノベル楽曲はRPG楽曲と非常に似ていますが、こちらの方がRPG楽曲より楽曲の重要度が高いジャンルだと感じました。なので、敢えてゲーム楽曲とカテゴリを分けました。

そもそも私がこのビジュアルノベルに目を付けたのも、私が尊敬している作曲家の一人であるショスタコーヴィチが、下積み時代に無声映画へ即興ピアノでBGMを演奏していたから、それに倣おうと思ったからです。

RPG楽曲とは違う点としては、ボイス無し作品の場合はプレイヤーは画面上の文章を読み解いているため目立ちすぎてはいけない場合があるという点です。
ですので、はっきりとした旋律を持たない楽曲が重宝される場面もあるというのも面白い点であると感じています。


そんな、作曲特訓じゃ!と思って飛び込んだビジュアルノベル楽曲の世界ですが、早速担当した作品がバズるとは本当に想定外です。おかげさまでsteamでは圧倒的に好評の評価になりました。5カ国語展開しており、もう海外展開とか実感無さ過ぎて最早他人事です。現時点で10万ダウンロード突破。どういうこと?
store.steampowered.com 人生何が起こるか本当に分かりませんね

ピアノ単独曲

これは完全に私が心の底から本当にマジで滅茶苦茶やりたい放題作曲したいと思って勝手に作ってるだけです。すいません
幼少期にピアノを習ってたり小学生の時に関東大会で優勝したり、業務中のBGMとして一生ピアノを聞いてたり私生活で触ってたりと親しみが多いから、それはそう。

当たり前ですがピアノ以外の楽器は使えません。ですので、効果音で誤魔化したり和声が怪しいとかは言語道断なため、ある程度和声に親しみがある人にはお勧めなジャンルです
裏を返せば、ピアノ以外の音を使わなくて済みます。ミックスが超楽です。ノーツの強弱やテンポも感覚で一つ一つ調節するだけです。ノーツ数が多いと大変ではあるけど、そのくらいで作れちゃうんです。お得

ピアノは中学受験で習わなくなったため演奏技術は雀の涙なので、自作曲を自演することは出来てません。が、今後もし誰かに演奏を依頼した際に怒られないように、手の動き等が不可能にならないように実はチェックしながら作っています。
片手10度くらいは流石に許してほしい、アルペジオで対処してください…


一応大変な点もあって、それっぽく仕上げようとするとかなり難しいです。膨大にインプットしてようやく3曲作れたくらい。ただ仕上がった時の感動はめちゃめちゃ凄いので、是非皆さんにも挑戦して欲しいジャンルです。

ボカロ曲

現状公にしてる分では7曲しか作ってませんが、これから新たな軸にしていきたいな~と思ってるジャンルです。

そもそも私には、中学時代に友人に布教されたボカロ曲をきっかけに大衆文化を受け入れることができるようになったという過去があります。
そして、生まれたばかりの雛鳥が最初に見たものを親と認識するように、私はボカロ曲に憧れを持ちました。当時は作曲環境を整えようが無かったため、ピアノで編曲して弾きながら遊んでました。それが作曲全般のモチベの根幹だったりします。
そんなわけで、私の中でのボカロ曲という存在は特別な意味を持ちます。一通りいろんなジャンルの曲を経験してきたから、そろそろやってみようかなという感じです。

でもピアノとかのクラシック音楽と比べるとどうしてもインプットの相対量が少ないため、増やすべく最近の物を数百曲流し聞き流しました。その結果、3ヵ月で6曲作り上げられるくらいにはなりました。
渾身の初のボカロ書き下ろしアルバムを2024年秋のM3で頒布したら初の赤字を叩き出したもので幸先が悪くて不穏で我ながら滅茶滅茶面白い。徹底的に振り返り、この春のM3では入念に対策しておりますので、次はまぁどうなることやら…
semicolon0103.hatenablog.com
9年の積み重ねがあるのにここでまぁ作曲引退する理由あるわけないですよね

おわりに

作曲と一言で言ってもいろんなジャンルがあるので案外飽き飽きしないのがやはり面白い所です。上で触れませんでしたが、吹奏楽風の曲も実は作ったことがあります。引き出しはなるべく多くしておきたいところです。


今までの作曲人生の大半は対外的に作って来たわけでなく、ひたすら黙々と作ってたわけで、今後を考えると外部に公表したり告知したり広告するのが超絶苦手なのを本当にどうにかしたいところではあります。
そろそろそっち方面も意識すべきかなぁと思う今日この頃ですが、私には難しいことや面倒くさいことは分からないのです、猫なので。


それでは