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【夏の北海道】滞在記 Part6

※この記事は オモゐデ漁船アドベントカレンダー2022 16日目の記事です

 

こんにちは。相生あおはです。引き続き、夏の北海道滞在記を書きます。

 

~おしながき~

Part1: 仙台を離れ北海道に上陸

Part2: 北の大地を自転車で疾走 (目玉回)

Part3: 稚内市滞在と海の幸、宗谷岬

Part4: 稚内から釧路大移動

Part5: 納沙布岬に帯広の地元グルメ

Part6: 襟裳岬に心を奪われる ←イマココ

Part7: 道民のフリをする猫

 

本記事の目次はこちら。

 

1. 8/31 まずは途中の広尾へ

今日は襟裳岬に行くんですが、帯広からは一本では行けません。まずは途中乗り換え地点の広尾を目指しましょう。

実はこの日、プチ寝坊しました。

起きたばかりは行動デバフ掛かってる読みで普段から早めに起きるんですけど、その保険タイムが無くなると焦りますよね。当然旅程には一切影響は無いんだけども。部屋の横に看板があったためカーテンの隙間から明かりが漏れてきて寝付けなかったんだ…

時刻は5時半前。襟裳岬に向かうため、帯広駅前バスターミナルに向かいます。

いい朝日じゃ

朝日に照らされた鉄道橋

朝の静かなバスターミナル

気候は涼しく、人も殆どおらず、澄み渡る青空に朝日。まだ人々が起きる前って感じ。まるで冒険がこれから始まるかのような心地よい時間でした。のんびり待っていると放送が入り、バスが来るよ~とのことでした。

まずは広尾を目指す

広尾までの往復乗車券

広尾までは往復乗車券を買った方が安い上に運賃支払いも楽なので、買うようにしましょう。

ここ帯広から広尾までは約2時間半の道のりです。栄えている帯広市中心部からバスはどんどん離れていきます。

徐々に農地成分が増える

これぞ十勝平野

しばらくしないうちにバスの車窓は農地へと様変わりします。ジャガイモ、トウモロコシ、牧草地。防風林を越えて地平線まで農地がどこまでも続いていく光景。4日前にいた宗谷地方と違い、車窓からは荒野があまり見当たらないのが特徴的。食料自給率100%越えと言われて納得のいく景色です。

私、小学校の時に栽培委員長やってて土いじりの記憶が僅かにあるんですが、色の濃い栄養分ありそうと思える土が空き地にも続いていました。ですので、フル稼働時では全てが農作地となるんでしょうか。圧巻でしょうね。

バスは途中、中札内村更別村幕別町、大樹町を経由します。

大樹町はロケットが売り 町内ではロケットの絵を多く見る

また、幕別町の忠類地区ではナウマンゾウの化石がほぼ完全な姿で出土したとか。バスでもご丁寧に放送が入るくらい。いつか途中下車してみようかな。

いつも鉄道旅しかしなかった私にとってみると、縮尺の小さい地図で何も表示されないところに現在地が表示されるのは不思議な感覚です。でも、そんなところでも人の息吹があります。その土地をしっかり知るには、鉄道だけでは足りないということです。

様々な街を過ぎ、農地を過ぎ。バスはようやく広尾町へ。

 

2. 8/31 長閑すぎる広尾町を散策

この上なく長閑

とても平日の午前9時とは思えない光景です。空気は心地よく、日差しもポカポカと心地よく、町中を優しさが覆っているかのようでした。次のバスまで30分ありますので、折角なら町内散策としましょう。

サンタクロースの町らしい SANTALAND

時間の流れが限りなくゆっくり

散策するには30分という短い時間でしたが、広尾町の長閑さを充分堪能しました。散策した限りでは大賑わいな観光地こそありませんが、じっくりと異郷の地を巡って土地を知るだけで私は大満足。もっと歩きたかったです。道すがらにあった十勝神社にじっくり行きたかった。

 

3. 8/31 太平洋を眺めながら襟裳岬

襟裳岬へのバス

ついに現れました、えりも岬の文字。ここ広尾から襟裳岬までは約1時間。そのバスから見えた景色はというとですね、

山陰地方を彷彿とさせる海岸線

ああ綺麗。思わずバスの窓を開けます。すると心地よい潮風が顔を撫でます。実家時代は海の近くに住んでたので、幼いころをふと思い出しました。

季節は夏でしたので、サーファーさんがいたり、昆布漁してる漁師さんがいたり。どんなストレスも一瞬で無限希釈されるかのような大自然。人混みというものを一切忘れることができる素晴らしい立地。

海難事故犠牲者を弔う碑

しかし、この辺りは風が強く海が荒れやすく、昔から海難事故が多かったんです。そのためか、道路脇にある"フンベの滝"の近くに慰霊碑があります。この滝も、景色をじっと見ていないと過ぎてしまうので、こういう大自然を通る時にスマホとか見てるのは勿体ないですよね。

しばらくすると海岸線が道路から遠のいていきます。

今度は高地の景色に

今度は海が見えなくなり、まるで高原地帯を走っているかのような車窓になります。襟裳岬への道中だけでも、海と山の両方を味わうことが出来て、本当に大満足です。

ちなみにぱっと見は高原地帯ですが、海岸線までは200mほどであり、そこには砂浜が広がっているそう。その砂浜の一部には"百人浜"と呼ばれている地域があり、その昔に商船が難破して百人にもおよぶ遺体が発見されたことに由来します。この周辺海域は蝦夷地時代以前からも恐れられていたそうです(襟裳岬風の館による)。

目の保養をこれでもかと行っていたら、気づいたら民家が見えてきました。襟裳岬はもうじきです。

 

4. 8/31 風極の地 襟裳岬

襟裳岬バス停に着いて、バスはドアを開けます。すると聞こえてくるんです、外の爆風が風切り音として。乗っている時は、植物が風になびいているな~程度だったんですが、いざ下車するとその瞬間身体を左側に持ってかれ掛けました。仮に傘でも差そうものなら飛ばされてると思います。転びそうになりながらもしっかり右足を地に付けると、今度は風のあまりの強さで右耳と左耳で気圧差が生まれて痛くなり、マスクとメガネも飛ばされそうになりました。「これや…!!!!」と私は更にテンションが上がります。私はこれを体験しに来たんです。仮に飛ばされようものなら大自然に物理的に溶け込んでしまいそうなくらい、周囲には遮るものがありません。

襟裳岬周辺は見事な快晴でした

とりあえず風上を向きながら、開けた所、近くの駐車場方面に移動します。

実は3回行ってる

この記事執筆時点で3回行ってる、えりも岬観光センター。バス停はこの建物のすぐ脇にあるため、ビル風的な原理でさっきは飛ばされかけたんでしょうか。とりあえず店に入ります。

私もここまで風が強いと思わなかったので、店員さんにふと尋ねてみたところ「今日は午後から急に強くなったね~」とのこと。本気気味の襟裳岬ということでしょうか。なんてラッキーなんでしょう。

少し休んでから、散策をします。

難所を行き交う船舶を支える灯台

この光景を基に一曲仕上げたことがある

地の果て

太平洋に向かって岩礁が並ぶ

日高昆布が干される場所

ここ襟裳岬には風の館という、爆風を体験できたり周辺の歴史や生態を知れる資料館があるんですが、この日は緊急事態宣言によって休館であることは把握済みだったので、帰りのバスが来るまでさらに散策することに。少し足を運べば、先ほどバスで見た民家密集地域に行けます。どんな暮らしがあるのか見て見たくなるのが旅人の性。

ちなみに風の館は2022年9月に行きました。ここ周辺の緑地は、なんと緑化活動の賜物ということを知ったのが一番の驚きでした。

大海原を右手に、海岸線を一望しながら市街地へ

ステンドグラスが綺麗

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ご当地交通安全旗

えりも岬郵便局 風景印を頂きました

この地域特有の種らしい、ゼニガタアザラシをご紹介いただき、ポストカードも頂きました。

日高昆布を干しているところ

昆布を干すときの、水分が飛びきってない昆布と乾燥した砂利がぶつかる時の音が、なんとも形容しがたい音で凄く好きです。これは是非昆布の乾燥現場に行って聞いてみてほしいです。音のソノリティで取り上げてほしい。まるで布団を敷く時のように昆布の束を動かして、器用に干してらっしゃいました。

またこれは2022年9月に行った時に見たんですが、風が強いせいか洗濯物も砂利に敷いて干されているようです。これなら確かに風に飛ばされなさそう。

乾燥前?の昆布

昆布が置かれる所には立ち入らないようロープが張ってあったり、ゾーニングがしっかりされています。我々は、明らかに道だと判別できる所以外には立ち入らないようにしましょう。

街中の商店

とび森のかっぺいの歌が聞こえてきそう

聞こえてきそうどころか、脳内でそれを再生しながら歩いていました。絵に描いたような長閑な港町です。こんなところで海産物のおこぼれを食べながらのんびり暮らす猫になりたい。

日高産海産物の故郷のひとつ

市街地方面と襟裳岬方面の分岐

襟裳岬と反対方向、来た道

若干メルヘンチックなバス待合所 灯台モチーフ?

ここにもはまなす

丘の向こうにも行ってみたい

調べたところによると、丘の向こうの先にも市街地があるそうで。そこを散策できるのはいつになるかな…

いつものように、街歩きをしていたら帰りのバスの時間がやってきました。2時間弱はあっという間でした。長閑な街を歩くと、本当にストレスから解放されて素晴らしい気持ちになります。

 

5. 8/31 ありがとう襟裳岬

帰りのバス

まだ明るい時間ですが、この時間のバスに乗らないと帯広に帰れなくなります。実は、広尾から襟裳岬へのバスは1日3往復、帯広から往復できるのは1日2往復とかです。今度は途中で泊まってみたい。

こんな海すれすれも走ってくれる

広尾のバス待合所

待合所から目抜き通りを見通す

砂金が取れてゴールドラッシュになった川 byバスの放送

帯広駅前に戻ってきました

朝も見た鉄道橋

同じ場所ですが、朝見た景色と違った景色になってます。朝と夕方をコンプリート。それにしても凄く発展していますね帯広市。さっきまで襟裳岬にいたことが信じられないくらいの発展度合い。私は夢を見ていたのでしょうか。だとしたらなんて素敵な夢だったんでしょうか。

今日は帯広ではなく札幌に泊ります。札幌までの列車がまだなので、帯広市内も散策してたら、サークルから連絡があって。

このあと5000DL行ったんだよね…

 

列車の時刻が近づいたので駅に行ったんですが、遅れてたそうでした。したらTLに札幌からこっち方面に来てる何某がいまして。なんだこの狭すぎるTL。帯広駅で何某が乗ってたらしい特急を見送り、その後空リプ飛ばしてたら、かなり先の所で私がこれから乗る列車とすれ違ったという情報を得ました。これなに?

帯広市もすっかり気に入ってしまいました。その証拠として2022年9月の時には2回来てます。

札幌行きの列車に乗り、思い出を噛み締めながらいろいろなことを考えます。

もう気づいたら外は真っ暗。すると、TLでさっき情報をくれた何某が釧路に着いたそうで。

世間、狭すぎません?示し合わせたわけでもないのに日付がニアピンで行程が瓜二つでした。釧路泊まで同じで、泊ってるホテルまで同じと来た。こんなことってあるんか…

よくよくTLを見ると、この時点で北海道にいる人が私を除いて3名程度いました。マジでなにこれ???

さらにTLでは北海道の地名でダジャレ大会も始まる次第。不審者になりかけてました。根室で眠ろうは盲点で特に好き。

札幌までは時間があったので、サッポロクラシックを開けようかと思ったんですけども、連日の過酷な行程で流石に疲れてきたので缶を開ける気力にすらなりませんでした。北海道牛乳をゆっくり飲み、ひたすらぼ~~~っとしてました。

北海道から離脱する前日は必ず札幌に泊ることにしてるんですが、その度に札幌のデカさに「?」となってます。

明日は調整日。札幌で何もすることが無いのでゆっくり寝ることができます。のんびり湯舟に浸かって、目覚まし時計を掛けることなく心行くまで眠りに就きました。

 

6. 次回予告

デュエルスタンバイネタ流石に尽きました。次回は北海道に半ば帰化しかけてる猫の暮らしをお届けします。