※この記事は オモゐデ漁船アドベントカレンダー2022 16日目の記事です
こんにちは。相生あおはです。引き続き、夏の北海道滞在記を書きます。
~おしながき~
Part6: 襟裳岬に心を奪われる ←イマココ
本記事の目次はこちら。
- 1. 8/31 まずは途中の広尾へ
- 2. 8/31 長閑すぎる広尾町を散策
- 3. 8/31 太平洋を眺めながら襟裳岬へ
- 4. 8/31 風極の地 襟裳岬
- 5. 8/31 ありがとう襟裳岬
- 6. 次回予告
1. 8/31 まずは途中の広尾へ
今日は襟裳岬に行くんですが、帯広からは一本では行けません。まずは途中乗り換え地点の広尾を目指しましょう。
実はこの日、プチ寝坊しました。
やっっっっべ寝坊した
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月30日
起きたばかりは行動デバフ掛かってる読みで普段から早めに起きるんですけど、その保険タイムが無くなると焦りますよね。当然旅程には一切影響は無いんだけども。部屋の横に看板があったためカーテンの隙間から明かりが漏れてきて寝付けなかったんだ…
時刻は5時半前。襟裳岬に向かうため、帯広駅前バスターミナルに向かいます。
気候は涼しく、人も殆どおらず、澄み渡る青空に朝日。まだ人々が起きる前って感じ。まるで冒険がこれから始まるかのような心地よい時間でした。のんびり待っていると放送が入り、バスが来るよ~とのことでした。
広尾までは往復乗車券を買った方が安い上に運賃支払いも楽なので、買うようにしましょう。
ここ帯広から広尾までは約2時間半の道のりです。栄えている帯広市中心部からバスはどんどん離れていきます。
しばらくしないうちにバスの車窓は農地へと様変わりします。ジャガイモ、トウモロコシ、牧草地。防風林を越えて地平線まで農地がどこまでも続いていく光景。4日前にいた宗谷地方と違い、車窓からは荒野があまり見当たらないのが特徴的。食料自給率100%越えと言われて納得のいく景色です。
路線バスが土を運んだトラクター?みたいなのを追い抜いてすっごい新鮮、もしかして今走ってるのって広域農道?
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月30日
周囲の光景も教科書で見た通りの十勝のそれで感動してる#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/89TnG1Q9AO
私、小学校の時に栽培委員長やってて土いじりの記憶が僅かにあるんですが、色の濃い栄養分ありそうと思える土が空き地にも続いていました。ですので、フル稼働時では全てが農作地となるんでしょうか。圧巻でしょうね。
また、幕別町の忠類地区ではナウマンゾウの化石がほぼ完全な姿で出土したとか。バスでもご丁寧に放送が入るくらい。いつか途中下車してみようかな。
うおぉどこ走ってるんだ〜 pic.twitter.com/iSAvf8ypH0
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月30日
いつも鉄道旅しかしなかった私にとってみると、縮尺の小さい地図で何も表示されないところに現在地が表示されるのは不思議な感覚です。でも、そんなところでも人の息吹があります。その土地をしっかり知るには、鉄道だけでは足りないということです。
様々な街を過ぎ、農地を過ぎ。バスはようやく広尾町へ。
2. 8/31 長閑すぎる広尾町を散策
とても平日の午前9時とは思えない光景です。空気は心地よく、日差しもポカポカと心地よく、町中を優しさが覆っているかのようでした。次のバスまで30分ありますので、折角なら町内散策としましょう。
乗り換え時間ぼーっとしてるのが勿体なかったので海を見てきた
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
ここ広尾という町、生まれて初めて来たし次いつ来るかも分からないけど、来世はこういう所でのんびりと暮らす猫になりたいなと思った#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/pLiSuVAb0s
散策するには30分という短い時間でしたが、広尾町の長閑さを充分堪能しました。散策した限りでは大賑わいな観光地こそありませんが、じっくりと異郷の地を巡って土地を知るだけで私は大満足。もっと歩きたかったです。道すがらにあった十勝神社にじっくり行きたかった。
3. 8/31 太平洋を眺めながら襟裳岬へ
ついに現れました、えりも岬の文字。ここ広尾から襟裳岬までは約1時間。そのバスから見えた景色はというとですね、
ああ綺麗。思わずバスの窓を開けます。すると心地よい潮風が顔を撫でます。実家時代は海の近くに住んでたので、幼いころをふと思い出しました。
季節は夏でしたので、サーファーさんがいたり、昆布漁してる漁師さんがいたり。どんなストレスも一瞬で無限希釈されるかのような大自然。人混みというものを一切忘れることができる素晴らしい立地。
しかし、この辺りは風が強く海が荒れやすく、昔から海難事故が多かったんです。そのためか、道路脇にある"フンベの滝"の近くに慰霊碑があります。この滝も、景色をじっと見ていないと過ぎてしまうので、こういう大自然を通る時にスマホとか見てるのは勿体ないですよね。
しばらくすると海岸線が道路から遠のいていきます。
今度は海が見えなくなり、まるで高原地帯を走っているかのような車窓になります。襟裳岬への道中だけでも、海と山の両方を味わうことが出来て、本当に大満足です。
ちなみにぱっと見は高原地帯ですが、海岸線までは200mほどであり、そこには砂浜が広がっているそう。その砂浜の一部には"百人浜"と呼ばれている地域があり、その昔に商船が難破して百人にもおよぶ遺体が発見されたことに由来します。この周辺海域は蝦夷地時代以前からも恐れられていたそうです(襟裳岬風の館による)。
目の保養をこれでもかと行っていたら、気づいたら民家が見えてきました。襟裳岬はもうじきです。
4. 8/31 風極の地 襟裳岬
襟裳岬
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
下車した瞬間に金星のスーパーローテーションもビックリな風速5億mの風が吹き荒れて本当に飛ばされかけた、風圧で耳が痛くなったのはいつぶり?
大地の果てと呼ぶに相応しい周囲の景色も相まって宗谷岬・野寒布岬・納沙布岬と桁外れの地の果て感が味わえた#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/sW3CTRBTBD
襟裳岬バス停に着いて、バスはドアを開けます。すると聞こえてくるんです、外の爆風が風切り音として。乗っている時は、植物が風になびいているな~程度だったんですが、いざ下車するとその瞬間身体を左側に持ってかれ掛けました。仮に傘でも差そうものなら飛ばされてると思います。転びそうになりながらもしっかり右足を地に付けると、今度は風のあまりの強さで右耳と左耳で気圧差が生まれて痛くなり、マスクとメガネも飛ばされそうになりました。「これや…!!!!」と私は更にテンションが上がります。私はこれを体験しに来たんです。仮に飛ばされようものなら大自然に物理的に溶け込んでしまいそうなくらい、周囲には遮るものがありません。
とりあえず風上を向きながら、開けた所、近くの駐車場方面に移動します。
この記事執筆時点で3回行ってる、えりも岬観光センター。バス停はこの建物のすぐ脇にあるため、ビル風的な原理でさっきは飛ばされかけたんでしょうか。とりあえず店に入ります。
私もここまで風が強いと思わなかったので、店員さんにふと尋ねてみたところ「今日は午後から急に強くなったね~」とのこと。本気気味の襟裳岬ということでしょうか。なんてラッキーなんでしょう。
少し休んでから、散策をします。
今年春にとんえぼから出たvol.09 -Lost Leisure-に収録されてるぼくのBravelgentのジャケット、実は襟裳岬の岸壁がモデルなんだよね
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年9月2日
襟裳岬にいる時ずっと脳内で流れてた、セルフ聖地巡礼してきました#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/UtvZJU8K2b
ここ襟裳岬には風の館という、爆風を体験できたり周辺の歴史や生態を知れる資料館があるんですが、この日は緊急事態宣言によって休館であることは把握済みだったので、帰りのバスが来るまでさらに散策することに。少し足を運べば、先ほどバスで見た民家密集地域に行けます。どんな暮らしがあるのか見て見たくなるのが旅人の性。
ちなみに風の館は2022年9月に行きました。ここ周辺の緑地は、なんと緑化活動の賜物ということを知ったのが一番の驚きでした。
この地域特有の種らしい、ゼニガタアザラシをご紹介いただき、ポストカードも頂きました。
昆布を干すときの、水分が飛びきってない昆布と乾燥した砂利がぶつかる時の音が、なんとも形容しがたい音で凄く好きです。これは是非昆布の乾燥現場に行って聞いてみてほしいです。音のソノリティで取り上げてほしい。まるで布団を敷く時のように昆布の束を動かして、器用に干してらっしゃいました。
またこれは2022年9月に行った時に見たんですが、風が強いせいか洗濯物も砂利に敷いて干されているようです。これなら確かに風に飛ばされなさそう。
昆布が置かれる所には立ち入らないようロープが張ってあったり、ゾーニングがしっかりされています。我々は、明らかに道だと判別できる所以外には立ち入らないようにしましょう。
聞こえてきそうどころか、脳内でそれを再生しながら歩いていました。絵に描いたような長閑な港町です。こんなところで海産物のおこぼれを食べながらのんびり暮らす猫になりたい。
調べたところによると、丘の向こうの先にも市街地があるそうで。そこを散策できるのはいつになるかな…
いつものように、街歩きをしていたら帰りのバスの時間がやってきました。2時間弱はあっという間でした。長閑な街を歩くと、本当にストレスから解放されて素晴らしい気持ちになります。
5. 8/31 ありがとう襟裳岬
まだ明るい時間ですが、この時間のバスに乗らないと帯広に帰れなくなります。実は、広尾から襟裳岬へのバスは1日3往復、帯広から往復できるのは1日2往復とかです。今度は途中で泊まってみたい。
ふとチケットケースを取り出したら裂けてました、こんなことは初めてで7日の利用が限界だなと思った
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
内容物を減らして釧路駅で貰ってきたケースにこれから使う切符類をまとめ、旅も終盤に pic.twitter.com/BUUgQial9g
ここ2日で帯広という街を見たけど、なにも帯広だけでなく北海道の鉄道駅と市民の生活中心が絶望的に同期してないというのは本当だと思った
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
駅から割と離れた所にデカいモールが大抵存在するのを見ると、駅前に土地がなくて郊外にモール作ったらそっちが便利になって生活中心になったのか、とか考えた
同じ場所ですが、朝見た景色と違った景色になってます。朝と夕方をコンプリート。それにしても凄く発展していますね帯広市。さっきまで襟裳岬にいたことが信じられないくらいの発展度合い。私は夢を見ていたのでしょうか。だとしたらなんて素敵な夢だったんでしょうか。
今日は帯広ではなく札幌に泊ります。札幌までの列車がまだなので、帯広市内も散策してたら、サークルから連絡があって。
これマジ……!?(BGM担当並感)
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
帯広で喜びの舞を舞っております、ありがとうございます🙇♀️🙇♀️🙇♀️ https://t.co/felHFP2cot
このあと5000DL行ったんだよね…
襟裳岬から帰還
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
6時に出て16時過ぎに帰ってきたので、帯広駅から最短でバス乗り継いでも往復8時間(滞在約2時間)かかるまさに秘境でした
BGMを担当したビジュアルノベルが週間ランキング1位ということで、昨日も食べたインデアンのカレーがより美味しく感じられた#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/0QjPIAUFyT
列車の時刻が近づいたので駅に行ったんですが、遅れてたそうでした。したらTLに札幌からこっち方面に来てる何某がいまして。なんだこの狭すぎるTL。帯広駅で何某が乗ってたらしい特急を見送り、その後空リプ飛ばしてたら、かなり先の所で私がこれから乗る列車とすれ違ったという情報を得ました。これなに?
それぼくの列車や、線路点検で1時間以上ってマジ何があったんや何か壊れたんちゃうかもしかして
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
これから乗る列車の形式をTLで確認するってなんだこれ それも情報源がFF ワロた
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
情報通りほんとに261が来て笑ってる、今回の旅で最終の宿がある札幌に向かいます
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
どうやら線路がぶっ壊れたからこんなに遅れたらしい、ひぇ… pic.twitter.com/aNpoaipHSE
帯広駅で一時間以上足止め喰らって暇になってたからのんびりといろいろ撮ってたんだけど、the地方都市という感じでよかった pic.twitter.com/YrRqpqSYRy
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
帯広市もすっかり気に入ってしまいました。その証拠として2022年9月の時には2回来てます。
札幌行きの列車に乗り、思い出を噛み締めながらいろいろなことを考えます。
色々旅してて思ったのは、旅でぼくが好きなのは都市探訪とか見知らぬ街中の散策とかなんだなって今回でも再認識した
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
多分大阪行ってもUSJとか海遊館とかには興味を示さずどこか細い路地歩いていそう
もう気づいたら外は真っ暗。すると、TLでさっき情報をくれた何某が釧路に着いたそうで。
うおお釧路着いたかおつかれ!
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
何某の明日の行程、もう完全にわかった、なぜからぼくもそのルート通ったので
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
エッモ
世間、狭すぎません?示し合わせたわけでもないのに日付がニアピンで行程が瓜二つでした。釧路泊まで同じで、泊ってるホテルまで同じと来た。こんなことってあるんか…
よくよくTLを見ると、この時点で北海道にいる人が私を除いて3名程度いました。マジでなにこれ???
稚内にWACCA無い、根室で眠ろう、帯広で帯拾おう、北見に来たみたい(来た身としては)
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
閃かん…
さらにTLでは北海道の地名でダジャレ大会も始まる次第。不審者になりかけてました。根室で眠ろうは盲点で特に好き。
札幌までは時間があったので、サッポロクラシックを開けようかと思ったんですけども、連日の過酷な行程で流石に疲れてきたので缶を開ける気力にすらなりませんでした。北海道牛乳をゆっくり飲み、ひたすらぼ~~~っとしてました。
着いた着いた遂に着いた……札幌や……!
— 相生あおは@長町の人 (@semicolon0103) 2021年8月31日
稚内、根室、釧路、帯広と見た後にこれ見るとぶったまげる、なんでここまででかいんだよ札幌
潰れます、充実したけどその分疲れまくったから寝るぞ寝るぞ…!#相生あおは北海道の旅2021夏の陣 pic.twitter.com/ctv0aeLdfG
北海道から離脱する前日は必ず札幌に泊ることにしてるんですが、その度に札幌のデカさに「?」となってます。
明日は調整日。札幌で何もすることが無いのでゆっくり寝ることができます。のんびり湯舟に浸かって、目覚まし時計を掛けることなく心行くまで眠りに就きました。
6. 次回予告
デュエルスタンバイネタ流石に尽きました。次回は北海道に半ば帰化しかけてる猫の暮らしをお届けします。