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【冬の北海道】豪雪旅行記 Part3

※この記事は オモゐデ漁船アドベントカレンダー2021 16日目の記事です

 

こんにちは。相生あおはです。引き続き、豪雪旅行記となります。

 

~おしながき~

Part1: 仙台を離れ北海道に上陸

Part2: 豪雪でまさかの旅程崩壊

Part3: 秘境駅その1~東六線駅 探訪+α~  ←イマココ

Part4: 秘境駅その2~北星駅 探訪+α~

Part5: 災害級の豪雪が過ぎて

 

まず本記事の目次を載せておきます。お好きなところ(?)からどうぞ。

 

0. 前回のあらすじ

道民さえも避ける賭けに大勝利し、無事当日中に旭川に到着した相生あおは。突然の旅程変更で疲労が貯まり、一日を休息に充てようとするも旅先テンションで思いもよらない奇行に出てしまう…

 

1. 2/25 豪雪の状況を知る

深い眠りから覚めたら翌日12時頃。ふとテレビを付けたところ、豪雪のニュースをやっていました。

翌日でもこの様。札幌方面からの鉄路はしばらく寸断されることもこの時知りました。

これからは北の宗谷本線に乗るので、札幌方面は関係ないと思うんですけどそうじゃないんですね。札幌方面から列車が入ってこないことでいくつかが運休になってました。これが本当に致命的で、なぜかというと一日数往復程度の、ただでさえ少ない本数の宗谷本線がさらに減るということだからです。下手に身動きを取ると本当に遭難しかねません。しかし…

※隣の和寒駅まで歩くとサラッと言ってますが、この後凄い雪道を歩くことになります。

 

さて身支度をして外に出てみましょう。

草。でもこの積雪はこの時期の旭川では普通とのことで。よくこんな環境で文明が発展するよ。

旭川市街地を歩いて一番衝撃だったのは、車道に圧雪のオフセットがあるということ。除雪面積が広大な場合はこの方が合理的ということなんでしょうか。

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積雪のオフセット(後日撮影)

ロードヒーターで歩道に積雪が全く無いのも印象的でしたね。仙台ならスケートリンクになってます。

かわいい雪だるまたちにほっこりして、旭川駅に向かいます。

 

2. 2/25 秘境駅に向けて旭川を出発

見事に札幌方面は全滅です。この時マジで数日後帰れるのか本気で不安でした。

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札幌方面は依然として全滅

13:59分発の、ラウンドワンもある(?)ことで一部界隈から有名(?)な音威子府に向かう列車で一つ目の秘境駅東六線駅に向かうんですが、そういえばまだご飯を食べていません。お腹を減らしながら駅構内を散策していると幌加内そばの幟を見つけました。蕎麦目当てで入ったんですが何故かここで駅弁を買ってました。

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駅弁屋さん

 

さて駅弁を買ったらばホームへ。雪が車両にこびりついているのが衝撃的で思わず撮っちゃった。線路脇も凍った雪まみれ。はえ~…

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音威子府行き列車でいざ向かわん

これから一時間この列車に揺られるんですが、そこで駅弁と行きましょう。

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駅弁『蝦夷わっぱ』

うっひょ~~~~~~!!美味しさのあまり秒で食べきってしまいました~!!!北の味覚に感動している様子は是非サブチャンネルをぉご覧くださいっ

ウニ(Chunithmではない)、実は苦手だったんですがこの駅弁で初めて美味しいって思えました。本当にどれも美味しかったです。皆さんも是非。

 

さて、そろそろ車窓を見てみましょうか。

見事な白銀の世界です。すっごく寒そうですが案外そうでもなく、湿度が高い感じの柔らかい寒さでした。

$ pip install 比布

秘境駅に行った後、これからここみたいな雪深いところを歩き、そこの隣駅から列車に乗って旭川に帰るんですが、雪道を歩く用のブーツで仙台から来ているのでむしろ楽しみです。

 

列車は途中にある塩狩峠という、天塩国石狩国の間にある峠を通るんですが、その昔はあまりの勾配で難所だったそうで。技術が発達した現在でも、実際に上り列車と下り列車で所要時間が異なるくらいです。当時このあたりで滑走し出した客車を止めようとしたところ、不幸にも轢死してしまった鉄道職員さんの慰霊碑も近くにあります。

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深い雪に包まれた塩狩

この塩狩峠を越えると、目的地の東六線駅はすぐそこです。

 

3. 2/25 秘境駅その1 東六線駅探訪

ここで下車したのは私だけでした。

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先を行く列車を降りる

それにしても、凄い駅でした。

列車が行くと静寂が…と言うわけではなく、近くで動く重機が賑やかでした。暫くすると晴れてきました。

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稚内方面を望む ホームは朝礼台みたいな板張り

それにしても定規で引いたような一直線です。

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通過列車の後に残る雪煙

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ホーム周辺 積雪の合間を縫ってホームに行く感じ

実は元々、乗降場という仮駅みたいな感じだったそうです。待合室にはその名残が残っていました。

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東六線駅待合室とその周り

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停車する列車は1日4往復のみ

列車本数の少なさよ。一体、山手線の何%でしょうか。この駅はあまりの利用者の少なさから、普通列車にも通過されることも多いんです。

 

待合室に入ると、何用かは分からない水が凍ってました。そっか氷点下なのね。

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凍ったペットボトル水

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外の積雪

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秘境駅名物 駅ノート

当然ここには初めて来たわけですが、もう二度と来ることはできないので、なんとなく寂しくなりながらいろいろ撮ったりしてました。

 

さて、帰りの列車は2時間後。流石に待っていられないので、停車列車本数が多いお隣の和寒駅まで歩きます。

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帰り道から東六線駅方面を望む

 

4. 2/25 和寒駅まで雪の6kmを歩く

帰りのルートはGoogleMapで調べたので大丈夫なんですが、気温は-6℃。風速は6mだったらしいです。体感温度-12℃。これは本当に寒かった。

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この道を6kmひたすら歩く

あまりに寒い地域だそうで、横断歩道の押しボタン式信号機のスイッチがタッチセンサーになっていました。機械式ボタンだと隙間に入った雨水が凍って押せなくなるとかなんでしょうか。北東北にもあるんかなこれ。

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タッチセンサー式の押しボタン式信号機

屋外ですので超音波式ではないでしょうけど、スイッチの打鍵感が無かったので本当にタッチセンサーなんでしょう。仕組みが気になる。

 

帰り道も一応歩道があるとはいえ、こんな感じです。車は走っててもまず人っ子一人おらん。

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来た道を振り返る 積雪の道

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行く先には当然足跡は無い

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落とし物その1. みかんの皮

 

流石に長いなぁと思ったらバス停を見つけたんですけども。

 

程なく歩いていると歩道が終わっちゃったんですよ。

でも実際は反対側に歩道があるんですが、積雪でカモフラージュされ認識できなかった上、ハイペースを維持して機械的に歩かないと列車に間に合わないかもと焦っていたので完全に見えていませんでした。

しばらくしてようやく反対側の歩道の存在に気づき、ふと右側を眺めると一本の列車が。ちなみにこの列車は先ほどいた東六線駅は通過です。普通列車なのに。

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雪の中を行く列車

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落とし物その2. キャベツの葉

近くにキャベツの即売所があるからでしょうか。道路沿いにあったので私も寄りましたが閉まっていました。

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軽い地吹雪。でも進むしかない。

先ほどまでは晴れていたのに、一旦曇って来て軽い地吹雪状態に。それに歩道もこんな積雪の様です。耐寒防水ブーツで来たものの積雪で歩きづらいことには変わりないんですが、ペースを下げて列車を逃したら大変です。体育の持久走の授業で養った持久力を頼りに歩みを進めます。

 

暫くすると耳元にどうも違和感が。

マスクからの蒸気が付着した髪の毛が凍ってしまったんです。呆然としました。

 

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歩道という名の雪道

こんな道が3kmくらい続いていました。この記事を書きながらマジでよう歩いたなって思います。

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軽くふぶいてきた

もうじき駅のある和寒町中心部に入るという頃には軽い吹雪に。ただ人の暮らしの気配がしてきたので心細さはあまりありませんでした。

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ラッセル車(遠くのライトがソレ)が来たけど撮れなかった

道の途中に跨線橋があり、人だかりが出来ていたので野次馬精神で私も行ってみることに。暫くするとラッセル車が来たんですが、動画撮ってたら画面が寒さのあまりブラックアウトしてしまい撮れませんでした。そういえばこのラッセル車、昼に旭川を発った時に駅で見たような。

 

そしてようやく。

雪道を歩いたからこそわかる文明の安心感に感動した瞬間でした。人間の叡智ってすごいです。思わずコンビニに入り、チョコが入ったたい焼きとプリンとビールを買いました。しかしこのビールは私に飲まれることなく…(後述)。

 

和寒駅まで歩みを進めるんですが、町内の歩道がこんな感じで。

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花道ならぬ雪道

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落雪事故防止のため立ち入り禁止になっていた

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めっちゃゴツい除雪車

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ついに着いた和寒

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待合室にあったストーブ あたたかい

ようやく旭川に帰れます。さっきコンビニで買ったスイーツやビールもビニール袋の中で嬉しそうにしています。でも帰りの列車のホームを間違えると大変です。案内を確認すると跨線橋を渡る必要があるそうです。きっと駅舎の左に見えるのがそれでしょう。早速渡ってホームに行きましょう。

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駅の跨線橋にしては天井が開けてない…?

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なんで跨線橋から跨線橋が見えるの?

間違えた!それに発車まで10分も無い!発車5分前にはホームにいないと死んじゃう私にとって一大事です。

慌てて階段を降りようとしたら、見事に滑って転んでしまいました。圧雪された階段での転倒、「あ~終わった」と思ったんですが、反射的に右手が"何か"を階段のクッション代わりに支えてくれたおかげで奇跡的に無傷でした。

その"何か"とは先ほどコンビニで買ったビールでした。下の写真は宿に戻ってから撮ったのですが、缶が破れるくらいの衝撃だったそうです。階段の角にクリティカルヒットしてたので、もしなければ右手の掌を派手に切っていたことでしょう。

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サッポロクラシック、ありがとう…(後ほど撮影)

缶が破れてしまうくらいでしたので、ビニール袋にも穴が開いています。袋からビールが漏れないように注意しながら帰路に就きます。この時買ったのが350mL缶で本当に助かった。もし500mL缶だったら絶対に漏れてた。

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雪道の一駅区間、いろんな意味で本当に長かった

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旭川へのゆりかご到着

 

5. 2/25 無事旭川に帰還 いろいろ散策

私を護ってくれたサッポロクラシックを宿に置き、寝静まる前の夜の旭川を散策します。

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イクラで整備されたかのように綺麗な街、旭川

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ライトアップが綺麗な旭川駅

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これでも当時としてはスコアが伸びて喜んでた

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そういえば昼に列車内で食べた駅弁以来何も食べられていません。

気分的に何故かカレーが食べたかったので、旭川ラーメンではなくコンビニカレーを購入。勿体ない。

 

本当に疲れましたが、今日も大変に充実した一日となりました。

楽しかったとはいえ昨日の6時間迂回に加え今日の雪道踏破で想像以上の体力消耗をしていることには変わりなく、いくら宿のふかふかオフトゥンで休んでも全回復とはいきません。

平気と思ってもいつ旅程が崩壊するか分からないし、もし寝坊したら一巻の終わり。常に気を張ってるこの様はさながら前線基地にいる兵士です。

ですので、身体は休めても気は全く休まりません。ハイテンションバフが掛かり全てが楽しくなったとしても、旅先テンションというのはそういうもの、リソースはトレードオフなわけで、その分体力を余計に消耗します。これも醍醐味なんだけども。

 

本当は2日後に雪道をキャリーバッグを引いて10km歩くつもりだったんですが、今日の雪道6km踏破で「たぶん無理」と思ったので、明日と明後日の予定を書き換えることにしました。所要時間をいくら多めに見積もっても、もし行った先で体力が尽きたら待つのは凍死です。誇張無しで。

ですので改めて旅程修正です。私は旅程を立てる際、時刻や交通費、買うべきものはもちろん、乗り場の位置や徒歩の予想所要時間、現地の天気予報などを綿密に調査するタイプなので、旅先で修正するなんて初めての経験でした。

(和寒駅での跨線橋間違い事件は、まぁ流石にミスらないと思ってたんだ…想像以上に自分がバカなことを再認識しました。)

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東六線駅横の踏切からの眺め

更に、昨日の豪雪でまだ運休となってる列車があるので、秘境駅巡りはやっぱり物理的に不可能。帰路日のマージンを考慮すると、これから行くのは一つの駅に絞る必要が出てきました。そこで丁度フォロワーさんと日中こんな話をしていたことを思い出します。(もちろん掲載許諾済み)

決まりじゃ。ということで明日はこの北星駅に行こう。

 

そういえば宿に戻る前、切符の発券の都合で旭川駅に寄った際に朗報を聞いていました。

仙台行きのフェリーを逃すことなく帰ることができることが確定したわけですが、万が一に除雪の予定が遅れたことも考え、札幌まであの"過酷な迂回ルート"をして帰る想定をし、札幌に戻る日は一日フリーにしました。もし除雪されたならのんびり旭川観光とかすればいいじゃない。

翌日は4時半起きです。今日の思い出をそっとしまい、眠りに就きます。

 

6. 次回予告

1つ目の秘境駅、東六線駅からの雪道を無事に乗り越えた相生あおは。明日はフォロワーさんから教えてもらった秘境駅に向かうことに。氏の印象に残ったというそこに広がっていた世界とは…

次回!相生あおは死す!!デュエルスタンバイ!!!