※この記事は とんえぼ老人部 Advent Calendar 2023 1日目の記事です
こんにちは。相生あおはです。
皆さんご存知我々とんえぼのケーシューパッケージにそんな経緯あったこと知ってる人、外部にいます?
まぁいないよね、と言うことでそろそろ裏話をします。
~~もくじ~~
とんえぼパッケージについて
皆さんご存知我々とんえぼのケーシューパッケージ。これは、とんえぼの内部団体である"とんえぼ創作班"が主体となって作っています。2023年現在でvol.12までが公開されてます。
tohokuotoge.wixsite.com
この前の学祭ではvol.13が試遊できる状態までになり、ここまで連番で続いているパッケージは我々だけです。
最初期のvol.1とvol.2はBMSもあったんですが、作りやすさとかの観点からvol.3以降はKSMのみとなってます。
やって来た存続の危機
とんえぼ創作班も直面
これは大学のサークルなら必ず直面するものです。多くのサークルがこれに苦しみ、そして数多のサークル・企画が息絶えているのは説明するまでもない。
メンバーがただ活動しているだけだと普通は4~6年くらいで作る人が居なくなるので、その危機は発足後そのくらいの時期に訪れます。
とんえぼパッケージvol.1の初出は2017年。それから4年目の2020年に、例に漏れず我々とんえぼ創作班にもその危機が訪れたわけです。
原因は「後継者不足」「高齢化」
高校時代に部活を立て直したり別サークルで部長をやってた私は「はい。」という感じでした。
まぁ黙ってるわけないよね
過去にそんな経験がある私としてはそれが看過できなかったんですね。
あと、詳しくはこの記事の最後の方で書いてるんですがとんえぼパッケージの存在のお陰で作曲趣味が続いたという感謝があったわけです。
そして、とんえぼパッケージの存在で創作趣味に火が付くという機会を後の世代に繋げたくて途絶えさせたくなかったんです。
tonevoadventcalendar.hatenablog.com
当時私は学部4年生で、ギリギリ現役?と言える学年。そして修士2年間の学生期間猶予がある感じでした。
さらに私は、自分で研究テーマを決めたため自分の修士2年間スケジュールを完全制御できることが確約されてました。つまり私の修士2年間は他の人と比較にならない程暇と言うことになります。
もっと言うと私は、とんえぼパッケージにその時点でもかなりの曲を書いてるわけです。
まぁ黙ってるわけないよね
事前準備
最初に考えたこと
活動目的であるパッケージが作れなくなるのは、とんえぼ創作班そのものの存続の危機と捉えました。そして、現状を振り返りました。
- 我々は音ゲーサークルなので、譜面制作は何とかなるだろう
- vol.07の時点でとんえぼ創作班代表が「作れるか怪しかった」と言ってた
ということで、曲と絵を今すぐ何とかしようと決めました(絵に関しては後述)。
とんえぼ創作班の作曲メンバー全員にDM
最初、私は「私が出しゃばっていいんだろうか…」という気持ちは当然ありました。実は私学部一年からとんえぼに入ってるわけじゃないんですよ。
作曲をきっかけに学部三年に入ったという、いわば半ば部外者なんじゃないかと勝手に思い込んでいましたわけで。
ただ、曲と絵を何とか出来る自信があったし、周り見渡した感じそれができるのが私しかいなかったし、何しろ自分が黙ってたら誰も動かないことは明白だったため即動きました。
とんえぼ創作班で私は曲担当。なので作曲講習会の開催を決めました。腹を決めていたため、つきっきりで教えることを考えてました。なので一人で見れるのは2人程度が限度だろうと思ったため、頭数が必要と考えました。
なので、作曲メンバー全員にDMを送りました。
ここで注意なんですが、全体周知で送ると返信は絶対に来ません。なので、全員から確実に答えが欲しい場合はDMのみが有効な手段です。なのでコピペではなく一人一人に合うようテンプレを改変して連絡を送りました。
結果、全員から何かしらのリアクションを得ることに成功。そして、相手の同意を得たうえで講習会メンバーとして起用できるメンバーを決め、それぞれのメンバーが得意な領域を再確認し、誰が何を教えられるかを明らかにしました。
DTM講習会の流れの決定
次の流れを想定。
- 全体講習会 (ソフト編&和声編の2部構成)
- 個別講習会 (つきっきり指導)
- 学祭パッケージに収録
ソフトはStudioOneの無料版を使い、作曲ハードルの一つである費用面の課題を無くしました*1。
ただ私はCubase*2使いだったため、実際にStudioOneを入れて基本操作を覚えるところから始めました(大変だった…)。
全体講習会に関しては、ソフト編はStudioOneをメインで使ってる人に任せ、私は和声編を担当。ドレミ程度しか分からない人でもこれ見ればちゃんと和声的に怪しくないものが作れる資料を作りました。
個別講習会に関しては、とりあえず参加者次第かな~ということで、ここまでを2020年5月頃までに準備しました(確か)。
DTM講習会、始動
受講者調査
まず参加者を募らないことには始まらない。
よかった、人が集まった…(集まらなかったら企画倒れだったけどそれは無いという読みだったので一安心)。
そして2020年の7月から開始。この頃はコロナ禍だったわけですが、裏を返せば人がほぼ確で家におり、Discordの画面共有で進められるという追い風状態でした。
全体講習会はほぼ喋るだけ&資料渡して質疑を随時受けるだけだからいいものの、個別講習会をどうするか─────。
記憶ですが当時受講希望が6人くらい集まり、うち2名がガチ初心者。一方ある程度つきっきりで教えられる講師陣が5人。ということだったので、一番暇な修士生だった私がそのガチ初心者2人をつきっきりで教えました。
つきっきりで作曲を教える
今思っても「よくやろうとしたよ」と思います。2人の進むペースや作りたい曲の雰囲気何もかもが違う上に、一応私も自分の研究を進めたかったので、時間管理がこの時は相当上手だったはずです。
個人的には、初心者に「自分の撒いた種が曲になる」という経験をして作曲に興味を持ってもらいたいと思い、それを基に決めたメニューで進めました。
講習会の結果
vol.08の曲数を見れば明白なはずです。
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講習会のメイン目的は「作曲未経験者に作曲を経験してもらい(続けてもらい今後も曲を作ってもらう)」というものでしたが、裏目的に「とんえぼ創作班に作曲経験者を呼び込む」というものもありました。
作曲者名をvol.07以前と以後で比較してみると、その差分が分かりやすいかと。
動いた結果どうなったか
今もパッケージが続いているのがすべてを物語っているでしょう。
ちなみに当時絵はどうしたかと言うと、個人的にコネがあった学友会写真部さんと個人的にコネがあるとんえぼ外の人達に協力を仰ぎました。
結果として、「譜面以外さえ何とかすれば続く」という私の読み通りvol.08以降にパッケージが続きました。
が、曲が多すぎて譜面の精査等に負担が加わり大変になったということは正直反省しています。そこは私の知恵と力ではどうすることもできませんでした、申し訳ない……
それから
作曲講習会を契機に、とんえぼ創作班内の交流が盛んになりました。更に、誰に何を聞けばいいのかというのがクリアになったため、ヘルプを出しやすい環境が出来ました。
また、全体講習会に関して、嬉しいことに好評だったそうで2回目を大学の教室借りて喋りました。2020年12月、冬のことでした。
この時点でDTM講習会の規模が15人くらいの企画になってて、なんか凄いことになっちゃった…という気持ちでした。
ただ、あの時もし動いてなかったら確実にvol.08以降は存在していないでしょうし、ある程度の出しゃばりは大事ということを認識しました。
そして今、奇しくもあれから4年が経った今。今度は譜面と絵が課題だそうです。当時の絵は私のコネで無理矢理解決したようなもので、流石に効能が続くにも限界があったようです。
私はもう完全に卒業している身なので、もちろん静観するに徹します。もし彼らがとんえぼパッケージの歴史に幕を閉じるという判断をしても、彼らの意思を尊重したいです。やっぱり、やりたいものをやるのが一番大切です、そこが第一、だいじ。
おわりに
存続の危機って解決しようと思えば解決できます。それに、後継者不足とか高齢化、技術継承とかそういうのも解決しようと思えば解決できます。
仮に検討した結果幕を閉じることになるにせよ、力不足で幕を閉ざさざるを得なくなるにせよ、携わった経験は今後生きるので、今同じような境遇にあるって方はまず動きましょう。どう転んだって損はないはず。
それでは。